【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日、日本政府が優遇対象国から韓国を除外する政令改正を閣議決定したことについて「問題解決に向けた外交努力を拒否し、事態をさらに悪化させる非常に無謀な決定」と非難した。「日本の不当な経済報復措置に対する相応の措置を断固として取っていく」と表明した。
文氏は「たとえ日本が経済強国でも、我々には対応策がある。加害者の日本が居直るばかりか、大口をたたく状況は決して座視しない」と述べた。「日本の措置の状況によって我々も段階的に対応措置を強化する」と話した。
文氏の発言を受け、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は「韓国も優遇対象国から日本を外し、輸出管理を強化する」と表明した。いま2つある戦略物資の管理体系にもうひとつの分類を新設し、そこに日本の輸出管理手続きを入れるとしている。品目などはまだ示していない。来週に詳細を公表する。
韓国政府は日本の措置が、特別な理由なく加盟国間の輸出入数量を制限することを禁じる世界貿易機関(WTO)のルールに違反していると指摘し、WTO提訴の準備を進めている。洪氏は「国際社会に理解を得る努力もより速度を上げる」とも語った。
韓国外務省の趙世暎・第1次官は2日、日本の長嶺安政駐韓大使を呼び、日本が輸出管理を厳格化したことに「友好協力国家の道理に背く行為だ」と抗議した。日本について「(韓国国民は)これ以上、友好国と考えることはできないだろう」と述べた。
バンコクで2日に開いた日本、中国、韓国の3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議では日韓外相が応酬する場面があった。
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相が冒頭のスピーチで「日本のけさの決定には皆さんの注意を喚起せざるを得ない」と口火を切った。「一方的で恣意的なやり方だ」と非難し、自由で公平な貿易を広げる努力に反すると訴えた。
河野太郎外相は「我々の輸出管理措置についてASEANの友人から何の不満も聞いたことがない」と切り返した。韓国への措置は日本が優遇対象国に指定していないASEANや他のアジア各国と同様だからだ。「WTOのルールを含む自由貿易体制に完全に適合している」と指摘した。
2019-08-02 10:30:00Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48141570S9A800C1EA2000/
No comments:
Post a Comment