ルノーグループのアルピーヌは、3月にスイスで開催されるジュネーブモーターショー2020に、コンセプトカーのアルピーヌ『A110 SportsX』(Alpine A110 SportsX)を出展すると発表した。
アルピーヌA110 SportsXは、アルピーヌ『A110』をベースに開発されたコンセプトカーだ。2ドアのミッドシップスポーツカーをベースにしたSUVを提案している。
モンテカルロラリーを制したアルピーヌ1800にインスピレーション
アルピーヌA110 SportsXは、アルピーヌの開発チームにとって尽きることのないインスピレーションの源になるという。アルピーヌA110 SportsXは、アルピーヌの設計チームとエンジニアリングチームの共同作業の結果、誕生した。
エクステリアは、1973年のモンテカルロラリーで優勝したアルピーヌ『1800』からインスピレーションを得ている。1973年、世界各地で開催されていたラリーレースが、FIA(国際自動車連盟)の下に一本化され、ラリー競技の世界最高峰を決める「WRX」が始まった。その開幕戦となったモンテカルロラリーを、わずか26秒差で制したのはアルピーヌ1800だった。
1973年のモンテカルロラリーには、6台のポルシェ『911』、フィアット『124』、日産ダットサンなどが参戦した。そしてラリーは激戦の末、アルピーヌ1800を操るジャン=クロード・アンドリュー選手が、同じくアルピーヌ1800に乗るオベ・アンダーソン選手に12秒の差をつけて、総合優勝を果たしている。
60mm引き上げられた最低地上高
A110 SportsXは、80mm幅の広いワイドボディと60mm引き上げられた最低地上高が特長だ。A110の「ピュア」グレードの技術的特長に基づいて、A110 SportsXはアルピーヌのDNAに忠実であり続け、軽快さと走る喜びのための敏捷性を備えているという。
エクステリアは、ルーフやボンネットをブラックで仕上げた。フロントバンパーは専用デザインに変更され、開口部が大きいのが特長だ。リアウィンドウには、スキー装着用のアタッチメントが取り付けられており、スキー板2セットが装着できる。
インテリアは、ドライビングエクスペリエンスのベースとなる特長的なセンターコンソールとホールド性の高い軽量シートを採用した。スマートフォンとの連携や、空気清浄・除霜機能を備えたオートエアコンなどの快適装備が採用される。
「ALPINE テレメトリー」は、7インチマルチファンクションタッチスクリーンに、ターボ過給圧、吸気温度などの情報を表示する。また、パワーとトルクのリアルタイムデータ、2つのクラッチの温度やトランスミッションオイルの温度も表示可能だ。
ミッドシップに最大出力252psの1.8ターボ
ベース車両は、A110のピュアグレードだ。ミッドシップには、直噴1.8リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。最大出力は252ps、最大トルクは32.6kgmを引き出し、後輪を駆動する。車両重量は1080kgと軽量で、パワーウエイトレシオは4.3kg/psとした。
トランスミッションは、ゲトラグ製の電子制御7速デュアルクラッチだ。A110ピュアは、0~100km/h加速4.5秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を備えている。
走りに安定感をもたらすトルクベクタリングと、シーンに合わせた走行を可能にするSPORTボタン(ノーマル/スポーツ/トラックモード)も採用された。
なお、アルピーヌによると、A110 SportsXの市販予定はないという。
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