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Tuesday, March 2, 2021

VALENTINOは閉業中の劇場でショーを開催。文化と芸術の再興への願いを込めて。【2021年秋冬ミラノ速報】 - VOGUE JAPAN

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ヴァレンティノ(VALENTINO)が2021-22年秋冬コレクションのショーをライブ配信した。クリエイティブ・ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリが会場に選んだのは、閉鎖を余儀なくされているミラノの歴史的な劇場「ピッコロ・テアトロ・ディ・ミラノ」。ロンドン出身のアーティスト、コジマ(COSIMA)とオーケストラによる生演奏とともにショーは幕を開けた。

今、イタリアの文化活動は未曾有の困難に直面している。「パンデミック下において、私たちはカルチャーを目的として集い、そして共有する機会を失ってしまいました。一時的であっても、劇場を再開させることはある種のパンクだと思っています」と語るピッチョーリ。今回のコレクションは、劇場の運営再開を切に願う、ヴァレンティノからの愛に満ちたメッセージそのものだ。

彼の思い切った決断は、大胆なカッティングと限定されたカラーにも反映されている。スカートの丈はマイクロミニに、メンズのパンツも足首よりも短い丈でカットされたりと、新しいプロポーションが目に留まる。ジャケットやドレスは精巧な手仕事によって切り抜かれ、穴からは肌や下に重ねた服を覗かせた。レースの生地で肌を透かせるなど、ボディを露わにしたアイデアもパンクの精神に由来したものだ。

黒と白、ネオンアクリルカラーに限定された色使いは、鮮やかな色彩を打ち出してきたこれまでを考えると、断固たる決意のように感じる。制限の中でも、プロポーションの見せ方によって、ロマンティックであったり、クールであったり、官能的であったりと多角的に表現。今季におけるパンクの精神は、心の枠組みにおける自由を意味するのだろう。

さらに、個性が光る若手モデルのキャスティングにも、文化芸術を次世代へ継承する想いが込められている。ここ「ピッコロ・テアトロ・ディ・ミラノ」は、世界中からパフォーマーを迎え、手頃な価格で価値ある公演を行う「万人のための劇場」だ。そんなインクルーシブを目的とした場所にふさわしい、未来を見つめたコレクションであった。

※VALENTINO 2021-22年秋冬コレクションを全て見る。

Photos: Courtesy of Valentino Text: Maki Saijo

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