
会場には香がたかれ、客は提灯に誘導されて歩く。幻想的な空間だ。小泉智貴デザイナーは今回のキーワードに「祈り」をあげた。「暗いニュースが多いこの状況下で何ができるかを考えた。自分はピュアな美やクリエイティビティで人の役に立ちたい。だから美しいもの、圧倒的なもの、心の救いになるようなものを自分自身も見たくて作った。人は圧倒的なものを目の当たりにすると支えられた気分になるから」。
そのために今回は得意のラッフルに、京都の伝統技術を組み合わせた。西陣織の帯は大きなリボン結びで背中に飾り、手には京扇子を手にする。珍しくシンプルなドレスのボディは田勇機業から提供を受けた丹後ちりめんのデッドストックを使用し、神社仏閣で目にした厄除けや守護のモチーフをペイントや横降り刺しゅうで装飾した。「生地自体が美しいので、和、洋の既成概念にとらわれない視点で扱うよう心がけた」と小泉デザイナー。素材の一部には再生ポリエステルも使用した。
同ブランドは最近は年に1度コレクションを発表しており、今回は京都を舞台に選んだ。世界遺産を会場に使用し伝統産業の支援を受けたと聞けば、行政や大企業のバックアップを想像するがそうではない。「日本の伝統とクリエイションを日本から海外へ発信したい」と企画した2人の実行委員が小泉デザイナーに声をかけ、賛同するスポンサーを集めに奔走し実現した。
実行委員のひとり、北川淑恵氏は日ごろから京都の伝統産業を伝える活動をしている。「まず小泉智貴という存在が貴重。だけど日本では新しい才能にフォーカスする体制が不十分。また京都の伝統工芸は素晴らしいのに外に向かって十分に表現できていない。だから2つを掛け合わせることで京都から世界へアウトアウトプットしたいと思った」と語る。もうひとりの実行委員はデザイナーやプロデューサーとして幅広く活躍する三浦大地氏だ。「今は多くの人が意識を内に向けているタイミング。自分も最近拠点を関西に移して、日本のクリエイティブがもともとこちらにあったこと、日本の宝を再確認した」と話す。
からの記事と詳細 ( 「トモ コイズミ」が月明りの二条城でショー 「心の救いになる、圧倒的なものを作りたかった」(WWDJAPAN.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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