7月、静岡県沼津市の水族館で行われたアシカの水中ショーで、女性トレーナーがデビューをはたしました。子供の頃からの夢をかなえるまでの1カ月半に密着です。
「伊豆・三津シーパラダイス」のトレーナー青山唯さん。大阪出身の25歳です。
トレーナー 青山唯さん:
「小学校の時から、イルカと一緒に泳ぐ体験に毎月通っていて、動物に関わる仕事をしたいと、ずっと思っていました」
トレーナーになるための専門学校を卒業後、地元大阪のレジャー施設に就職し、イルカのふれあいコーナーを担当していました。しかし去年3月にレジャー施設が閉園、新天地として10月に三津シーパラダイスに就職しました。
青山唯さん:
「ずっとショーのトレーナーがやりたくて。前職ではふれあいの担当だったのでショーは全くやってなくて、いいチャンスで転機かなと思って」
◆襲われることも 真剣勝負のアシカショー
こちらの水族館ではイルカやトド、そしてアシカと動物たちの様々なショーが人気です。青山さんが挑戦するのはアシカのショー。それもトレーナー自身も水に入ってパフォーマンスする「水中ショー」です。
先輩トレーナー・大城結香さん「イルカと違って(襲って)くるので、気をつけて。常にサニーを見てないと、ないとは思うけど可能性もあるから」
青山唯さん:
「めちゃくちゃ緊張してます。アシカは陸上ショーはやっているけど、距離感的にこんな近くにくることはないので怖さもちょっとあります」
今年5月、ショーの練習がスタートしました。指導役は先輩トレーナーの大城結香さんです。ショーの相棒となるのはカリフォルニアアシカのサニー、19歳のメスです。
まずは大城さんが手本を見せます。水面に顔を出して、アシカと一緒にぐるっと水平に一回りする練習です。
先輩・大城さん 「来たら手を出さなくていいんで、そのまま(エサを)あげる。鼻にタッチしてあげる。じっとしてられないからね。回るときは、このままの力で回る」
青山さん初めてやってみます。
先輩・大城さん 「右手を出して腕しっかり伸ばして。手を出しっぱなしは絶対ダメ」
青山唯さん:
「めちゃくちゃ緊張しました。ちょっと怖かった。顔が近かったので」
先輩・大城さん:
「サニーも青山さんも落ち着いてたので、最初にしては上出来だと思います」
◆健康管理はトレーナーの重要な仕事
魚屋さんのように見えますが、ここは動物たちの食事を準備する場所です。食べるのはサバやアジイワシなど、その量は1日に100キロを超えます。動物たちの体格や体調に合わせて、量や種類を細かく管理しています。
青山唯さん:
「動物のことを毎日観察して、普段と違う行動をトレーナーが気づいてあげないと。動物はしゃべれないんで」
◆アシカに「なめられている」
先輩・大城さん 「前にきたら手で誘ってあげて、後ろまでいったらリングを下に沈める」
この日は「輪くぐり」の練習、道具を使う初めての練習です。
練習中にサニーがエサで遊ぶような動きを見せました。
先輩・大城さん 「もう完璧にサニーがなめてきている証拠。何しても(エサを)もらえるんだろうな、もう飽きてきた、面倒くさいなと思ってくると、チャッチャっと(手を抜いて)やるから。アシカは特になんだけど、初めてのことやできなかったことが最初にできたときに評価してあげないと」
動物たちの行動や能力を観客に見せるためのショー、大切なのは動物たちとの信頼関係です。俊敏な動きや愛らしいしぐさなどを表現できた時、しっかりとほめてあげることが大切なのです。
青山さんのデビューは1カ月後に決まりました。
ショーでは水中の様子も見られていて、トレーナーにも優雅な動きが求められます。先輩の大城さんは冒頭の飛び込みで深くまで潜り、観客をショーの世界に引き込みます。
一方の青山さんは足がバタついたり、パフォーマンスの位置が柱にかぶってしまったりと、まだまだ課題が山積み。練習の日々が続きます。
◆成功なるか?デビュー初日
いよいよデビューの日がやってきました。青山さんかなり緊張しているようです。
青山さん「心臓から血が漏れてる感じ」
先輩・大城さん「『ご飯を食べにいっていいよ』って言ったら、『無理無理』って」
青山さん「無理、ほんとに無理。やばい、やばい、やばい。一回ハグして」
先輩・大城さん「笑って笑って」
いよいよデビューです。
まずは青山さんとサニー、そろってお客さんにごあいさつ。
水中に入って、サニーがぐるぐる回る技も上手くできました。
青山さんの足の間をサニーがくぐって、最後はハグできまりました!
青山さんと大城さん「やったー」
大成功です。
青山唯さん:
「お客さんがいて私もすごいモチベーションが上がって。サニーも今回はちゃんとやってくれたので楽しく終わりました。アシカって陸上でやってるショーはコミカルで面白いイメージだと思うんですが、意外と優雅で、イメージとは違う魅力もあることを伝えたいと思います」
子供のころからの夢をかなえた青山さん、ショーを通して動物たちの魅力を伝えるため挑戦は続きます。
からの記事と詳細 ( 子供の頃の夢かなえトレーナーに アシカ“水中ショー” デビューに密着 静岡・沼津市 - FNNプライムオンライン )
https://www.fnn.jp/articles/-/219217
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