開館から30年が過ぎて老朽化が進んでいた東京都品川区勝島の「しながわ水族館」が全面的に建て替えられ、5年後にリニューアルオープンすることになった。開館当初は首都圏唯一の目玉としていたイルカショーは、新たな水槽の建設や維持に多大な費用負担が見込まれることなどから、展示も含めて終了する。
しながわ水族館は1991年10月、同区が、しながわ区民公園内に設置し、運営を民間に委託した。イルカショーや水中トンネルが人気を博したが、ここ20年近くは新たに開業した民間施設との競合もあり、2019年度の来場者数は初めて40万人を割り込んだ。水槽やアクリルパネルの経年劣化も目立ってきていた。
区は20年度から識者も交えて、水族館の今後のあり方を検討。社会教育施設として存続させ、大がかりな作業が必要な改修ではなく、今ある場所の近くに建物を新築する方針を決めた。延べ床面積は現在の1・2倍の約5000平方メートルとし、品川の歴史・文化の発信や体験学習の拠点とするなどの方向性も定めた。
イルカショーについては、近隣にさらに大規模なショーを行う水族館もあり、「独自性は薄れた」と指摘。イルカを飼育する大型水槽の建設には多額の費用がかかり、近年は動物福祉の観点からイルカの飼育方法などには厳しい目が向けられているため、新装オープンに合わせてショーと展示は終了する。飼育しているイルカは別の施設などに引き取ってもらう。
区はこうした方針に沿って来年度、新たな水族館の運営事業者と設計者を選定し、25年度に着工、27年度に新装オープンする計画だ。初年度の目標来場者数は100万人とする。区公園課の高梨智之課長は「多くの世代が訪れて楽しいだけでなく、地域の豊かな自然や水辺と親しめる場所にしたい」と意気込んでいる。
からの記事と詳細 ( しながわ水族館が建て替え、イルカショーは終了へ…30年前は首都圏唯一の目玉として人気 - 読売新聞オンライン )
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