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Thursday, July 13, 2023

「アイスショーをもっと身近なエンタメに」 高橋大輔が挑むスケーターのための環境作り - 産経ニュース

kerisasakti.blogspot.com
プロスケーターとしてのキャリアを始動した高橋大輔。「いろんなスケーターがアイスショーに出演し、一層面白いショーができ上がる。そういういい循環ができれば」と語る=大阪市北区

昨シーズンで競技生活を引退したフィギュアスケーター、高橋大輔。男子シングルでアジア選手として初めて世界選手権を制し、アイスダンスに転向すると競技の注目度アップに大きく貢献するなど、日本フィギュア界を牽引(けんいん)してきた。プロスケーターとして活動している今、「アイスショーを、もっと身近なエンターテインメントにしたい」と語る。それは、より多くのスケーターが長く活躍できる場所を作りたいからだ。見る者を魅了してきた瞳は、輝き続けている。

競技から退いたのは今回で2度目になる。シングルから離れた1度目はけがで試合に出られないまま退いただけに「目標もなく、ただフェードアウトしていく感じでしんどかった」と振り返るが、「今回は次のステージだと前向きな気持ちです」。引退後はコーチや振付師になる人もいるが、意欲をみせるのはショーのプロデュース。「スケーターが、長くスケーターでいられる環境を作りたい」と思いを明かす。

日本のフィギュア界はシングルが主流だが、選手としての評価はジャンプの能力に左右され、年齢に比例して体力的にも厳しくなっていく。一方のアイスショーは競技とは異なり、「いかにジャンプができるかより、どう魅せるか。選手としての活躍は難しくても、才能のある人はたくさんいる」と語る。

そうはいっても、競技でメダルを取るようなトップレベルのスケーターでない限り、ショーへの出演は難しいという。選手として行き詰まると、スケーターを辞めることになる。

エンタメとしてのアイスショーを普及させたい思いの背景には、「魅せる」才能がありながら氷上から離れていく選手たちの存在がある。「もっと魅せることに特化したスペースがあって、それを仕事にできれば、そこを目指して続ける人も出てくる」

高橋を含めたスケーターたちが競技の国際舞台で活躍を重ねてきたことで、フィギュアスケートの人気は高まり、アイスショーの数も増えた。だからこそ、進化の必要性を感じている。

「今のショーには定番の流れがある。これからは、それ以上のものをやっていかなければいけない」と高橋。実現は「めちゃくちゃ大変」だが、フィギュアスケートが持つ可能性は大きいと信じている。

「陸」でダンスを披露

高橋自身も今夏、新たな試みに挑む。17年ぶりに出演する夏恒例のアイスショー「THE ICE」では、アイスダンスでコンビを組んだ村元哉中(むらもと・かな)との「かなだい」ペアとして氷上を滑るだけでなく、フランスのケビン・エイモズとコンビを組み、スケート靴を脱いだダンスパフォーマンスを披露する。

オファーがあった際「悩みましたが、チャレンジしたいと思いました」と語る高橋。氷上と「陸」では体の動かし方が変わるというが、エイモズについて「本当に振り幅の広いスケーター。陸ではどんな踊りをするのか」と話し、「THE ICE」としても初の試みに心を躍らせる。(藤井沙織)

高橋大輔(たかはし・だいすけ)

昭和61年3月、岡山県倉敷市生まれ。2010年のバンクーバー五輪で日本男子初のメダルとなる銅メダル、同年の世界選手権で金メダルを獲得。平成26年に競技生活から退き、30年に復帰。令和2年から村元哉中をパートナーにアイスダンスに転向し、昨年1月に四大陸選手権で銀メダルを獲得した。今年5月に村元とともに引退を表明した。

「THE ICE」

Asueアリーナ大阪(大阪市港区)で7月29日正午と同午後5時、30日正午から。出演は他に宇野昌磨、坂本花織、三浦璃来(りく)&木原龍一、ネーサン・チェンほか。問い合わせはキョードーインフォメーション(0570-200-888)

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