北京で開催中の中国最大規模のファッションイベント「チャイナ・ファッション・ウイーク」で9日夜、ファッションデザイナー滝沢直己氏がコレクションを発表した。同氏事務所によると、このイベントで自身の名前を冠したブランドのショーが行われるのは海外デザイナーで初。

モデルの冨永愛も参加し、バラの絵を友禅の技法で描いたドレスとスカーフを披露。職人の技と最先端技術を組み合わせ、染めや刺しゅうを施したファッションが次々に登場し、約300人の観客を楽しませた。

日中関係が厳しい中での開催となったが、滝沢氏は「こういう時に一緒になって物をつくっているという現実を見せられて良かった」と指摘。冨永は「芸術の世界に国境はない。人間としてのクリエーティビティー(創造性)の美しさを感じられることが一番大事。この時期にショーができることに大きな意味があった」と強調した。

ショーを見た北京市の会社員、張思儀さん(26)は「とても素晴らしかった。中国のデザイナーとコラボして、日常で着られる服もつくってほしい」と笑顔で話した。(共同)