【北京=原田逸策】中国国務院(政府)は23日夜、米国が9月から発動する予定の対中制裁関税「第4弾」への報復措置を発表した。5078品目・約750億ドル分(約8兆円)の米国製品に5~10%の追加関税をかける。9月1日と12月15日の2段階に分けて発動する。米中が9月から予定通りに発動すれば、両国の貿易戦争は一段と激しくなり、泥沼化しそうだ。
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9月1日に追加関税をかけるのは海産物、鋼板、化学製品など計1717品目。12月15日に発動するのは木材、自動車、織物など計3361品目。税率はいずれも5%か10%だ。米国の追加関税の発動時期と合わせた。
中国は米国からの輸入の7割にあたる1100億ドル分に追加関税を発動済みだ。残りは400億ドル分しかないため、今回はすでに追加関税を発動した商品にさらに上乗せするものもある。
米中は7月末に上海で閣僚級協議を開いたが、その直後にトランプ米政権が9月から約3000億ドル分の中国製品に追加関税を発動する方針を発表。米国はクリスマス商戦への影響を懸念し、スマートフォンやおもちゃへの追加関税の発動を12月に先送りした。
先送りで米中協議の進展に期待する声も出ていたが、中国商務省の高峰報道官は22日の記者会見で「一部を延期したが、あらゆる新たな関税措置は貿易摩擦を高め、大阪での米中首脳会談の共通認識に著しく違反し、中国は断固反対する」と表明した。「仮に米国が独断専行を続けるなら、中国も相応の対抗措置を取らざるをえない」と強調していた。
米中は9月上旬に次回の閣僚級貿易協議をワシントンで開く予定だ。中国国務院は対抗措置の公表文で「米中は協力だけがただ1つの正しい選択だ」として、対話による解決を呼びかけたが、米中が互いに追加関税を掛け合うことになれば、協議が開かれない事態も予想される。
2019-08-23 12:46:00Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48949300T20C19A8MM8000/
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