安倍晋三首相が20日の施政方針演説で「台湾」と読み上げた際に衆参両院とも議場から拍手が湧いたことに関し、台湾の蔡英文総統は20日夜、「『台湾』という言葉が、日本の国会で大きな拍手を浴びたのは実にうれしい」と自身のツイッターで日本語で記して歓迎した。
首相は演説で、今夏の東京五輪・パラリンピックで東日本大震災の被災地から29の自治体がホストタウンとなると触れ、うち三つを紹介する中で「岩手県野田村は、台湾」と強調した。菅義偉官房長官は21日の記者会見で「東日本大震災の際、台湾から多大な支援をいただいたことは国民もご存じだと思う。そういう中で、事実について（首相は）言及された」とだけ語った。
自民党保守派には、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や香港、新疆ウイグル自治区での人権問題などを理由に、中国の習近平国家主席の国賓訪日に反対する声がある。今月11日の総統選で再選を果たした蔡氏は中国と対立しており、首相の台湾言及に保守派から歓迎の声もあがっている。ただ、「一つの中国」を原則とする中国から反発が出る可能性もある。
施政方針演説で「台湾」に触れるのは、2006年に小泉純一郎首相が査証（ビザ）免除措置をとったことに言及して以来14年ぶり。【秋山信一】
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2020-01-21 12:28:20Z
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