Free現代に復活 若い忍び 青森大忍者部、ショーに向け日々修行
青森大忍者部顧問の清川繁人教授(後列中央)と部員たち=2020年11月9日、青森市
軽やかな身のこなし。鮮やかな大刀(たち)さばきが観客をとりこにする。ステージを駆け回るのは、現代によみがえった若き忍者たちだ。
青森大(青森市)には全国でも珍しい忍者部がある。社会学部の学生を中心に男女10人が所属し、調査や研究など座学に加え、アクロバットと殺陣を組み合わせた「忍者ショー」に向けた実践の“修行”に励む。
仕掛け人は、同学部の清川繁人教授(60)=八戸市出身=。地域活性化の取り組みを模索していた際、忍者見たさに来日する外国人の話題が目にとまり、2016年4月に国内で初めて同部を立ち上げた。
活動は週2、3回。ショーは、曲決めから振り付けや構成に至るまで全てを自分たちで考える。同学部2年の木村太伊華部長(19)は「高校でやっていた新体操を生かしたい」と思い入部。「歴史を学びつつ、ショーでは子どもから高齢者まで多くの人と触れ合えるのが魅力」と話す。
忍者といえば、伊賀(三重県)や甲賀(滋賀県)という印象が強く、青森県内で長年抗争を繰り返してきた南部と津軽にも忍者が存在したことはあまり知られていない。
同部では、各種イベントに出演するほか、観光施設として活用が決まった「忍者屋敷」(弘前市)を巡るツアーでもパフォーマンスを披露している。
清川教授は「屋敷は忍者の活動拠点として使われた国内唯一の建物とみられる。文化的価値の高さをアピールし、県内の忍者の歴史を多くの人に知ってもらいたい」と話し、ファンの拡大にも期待する。
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