Pages

Wednesday, December 15, 2021

「5Gショーケース」で新しい価値創出を加速する――、シスコが5Gへの取り組みと開発戦略を説明 - クラウド Watch

kerisasakti.blogspot.com

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は15日、エンドツーエンドの5Gネットワーク環境の実証実験ができる「5Gショーケース」を開設してから約1年間の取り組みと、シスコの5G開発戦略について解説するオンライン記者説明会を開催した。

 シスコの5G開発戦略として、サービスプロバイダー向けやローカル5G向け、あるいはサステナビリティなどの戦略が語られた。また、5Gショーケースでの取り組み内容や、そこで見られるソリューションなども紹介された。

パナソニックの映像制作プラットフォームとIP伝送を組み合わせる

 同日、5Gショーケースでパナソニック株式会社の「KAIROS(ケイロス)」を導入し、放送事業者のIP化技術支援を目的としたデモ・開発環境を共同で構築して、運用を開始したことも発表された。

 放送用デジタルビデオ機器の伝送規格であるSDI(Serial Digital Interface)ケーブルをIP・Ethernet化することによって、伝送量・速度が向上し、ケーブル量の削減や双方向通信が可能になるほか、どこからでもリモートからデータ伝送ができるという。

 こうしたIP化に向けて、パナソニックのライブ映像制作プラットフォームKAIROSと、SDIからIPへの移行を実現するシスコの「Cisco IP Fabric for Media」を組み合わせて構築しており、映像制作や伝送の開発検証が可能になるとしている。

5Gショーケースでのパナソニックとの取り組み
放送事業者のIP化技術支援を目的としたデモ・開発環境の構成図

5Gサービスプロバイダー向けの事業戦略

 記者説明会ではまず、シスコ 専務執行役員 情報通信産業事業統括の濱田義之氏が、同社の5Gソリューションについて紹介した。

シスコ 専務執行役員 情報通信産業事業統括 濱田義之氏

 まずシスコとモバイルインフラについて。濱田氏はまず、国内のサービスプロバイダー向けルータ市場シェアで、シスコが直近では77.0%というIDC Japanの調査結果を紹介した。そして、国内のサービスプロバイダー各社と共同での取り組みを説明した。

 また、「いま、サービスプロバイダー各社の収入は、コンシューマーが8割以上だが、2025年には50%以上がエンタープライズやIoTに移るという予測がある」と、エンタープライズ5Gの可能性を語った。

シスコと国内のモバイルサービスプロバイダー

 続いて濱田氏は、Cisco本社のサービスプロバイダー向けの事業戦略を紹介した。中心となるのが「コア技術の継続的なイノベーション」で、オプティカルやIPという違ったネットワークを統合する「Routed Optical Networks」などがある。

 その礎となるのが「コンポーネント提供の拡充」だ。濱田氏は「シリコンやオプティカルに大量の投資しており、Acaciaの大型買収もその一環だ」と語った。

 またコア技術の上には「デジタル通信事業者向け付加価値サービス」がある。放送のIP化も、その一端だ。

 この付加価値の例としては、2020年末から2021年3月にNTT東日本が新潟県で行ったローカル5G実証実験を濱田氏は紹介した。働き方改革を目的とし、高精細遠隔会議システムや3D-VR遠隔協調作業システムによって、新潟と渋谷でシームレスなコラボレーションを行ったという。

Cisco本社のサービスプロバイダー向けの事業戦略
NTT東日本が新潟県で行ったローカル5G実証実験

 濱田氏は最後に「Ciscoとしては、新しい技術で5Gの発展もさることながら、サステナビリティにも貢献したいと考えています」と語った。

シスコの5Gにおける重点開発領域4つ

 続いて、シスコの5G開発戦略について、シスコ 執行役員 サービスプロバイダーアーキテクチャ事業担当の高橋敦氏が説明した。

シスコ 執行役員 サービスプロバイダーアーキテクチャ事業担当 高橋敦氏

 高橋氏はまず、シスコの5Gにおける重点開発領域4つを説明した。

 1つ目は「5Gコア」。「これまで、サービスプロバイダー向けのモバイルコアの開発展開を進めてきた。ここに引き続き投資する」と高橋氏。また、1つのモバイルコアで複数の世代を収容できるコンバージドコアの開発を進めて、4G LTEから5G NAへ、そして5G SAへのスムーズな移行を支援するという。

 2つ目は「5G IoTサービス」。2016年に買収したJasper Technologies社の基盤を拡張したIoTプラットフォームで、3万社の1億9000万以上のデバイスがCiscoのコントロールセンターに接続されていると高橋氏は紹介した。

 3つ目は「5Gプライベートネットワーク」。ローカル5Gによって「シンプル、セキュア、シームレスな5Gプライベートネットワークを展開するためのソリューション開発に注力している」と高橋氏。また、エンタープライズ市場において「ローカル5GやWi-Fi6、有線を含めたマルチアクセスの環境下で、共通のポリシーとアイデンティティを適用した、シンプルでシームレスな5Gプライベートネットワークが必要だとの声を数多くいただいている」とも高橋氏は紹介した。

 4つ目は「固定無線アクセス」。アクセスサービスを統合した固定無線アクセスサービスが、サービスプロバイダーや大規模エンタープライズで重要となっていると語った。

5Gにおける重点開発領域4つ

サステナビリティのための製品開発

 ここで高橋氏は少し観点を変え、「Beyond 5G」としてサステナビリティを取り上げた。その要素として「再生可能エネルギーの利用を加速」「循環型経済の推進」「革新的な製品開発」の3つを挙げ、その中でも「革新的な製品開発」について解説した。

 シスコの、革新的な製品開発による環境へのアプローチは、「イノベーション」「先端テクノロジー」「アーキテクチャ変革」の3つだ。「すべて5Gショーケースでご覧いただくことが可能」と高橋氏は紹介した。

 1つ目のイノベーションについては、独自のネットワークチップ「Cisco Silicon One」がある。「シリコン設計をいちから見直して、超高速・超低消費電力を実現した」と高橋氏。ラック数を48倍削減し、帯域を60%向上させて、1ラックあたりの帯域を77倍向上させた。さらに、消費電力を38倍削減するなどの効率化を高橋氏は説明した。

環境へのアプローチ1:イノベーション

 2つ目の先端テクノロジーについては、従来のモデルが伝送装置からルータまで垂直統合だったところ、トランスポンダが分離しマルチベンダー化したことを説明。さらにAcaciaの買収と技術の進化により、トランスポンダがPluggable Opticsまで小さくなり、圧倒的な省スペース化と省電力化を実現したと高橋氏は述べた。

 3つ目のアーキテクチャ変革については、フラットでシンプルなネットワークを実現するRouted Optical Networkingにより、CapExとOpExを大きく削減したと高橋氏は語った。

環境へのアプローチ2:先端テクノロジー
環境へのアプローチ3:アーキテクチャ変革

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「5Gショーケース」で新しい価値創出を加速する――、シスコが5Gへの取り組みと開発戦略を説明 - クラウド Watch )
https://ift.tt/3yuwhoF

No comments:

Post a Comment