天皇陛下は、午後6時半前、皇居・東御苑に設営された「大嘗宮」の奥にある「廻立殿(かいりゅうでん)」を出て、廊下に姿を見せられました。
暗闇の中、廊下は、「脂燭(ししょく)」という先端に火をともした明かりによって照らされ、天皇陛下は、最も格式の高い「御祭服(ごさいふく)」という白い装束に身を包んで、ゆっくりと歩みを進められました。
この際、天皇陛下の前を、皇位のあかしとして歴代天皇に伝わる「三種の神器(じんぎ)」のうちの剣(つるぎ)と曲玉(まがたま)を携えた侍従が進み、天皇陛下の上には「御菅蓋(おかんがい)」と呼ばれるかさがかざされました。
天皇陛下のあとには、皇位継承順位1位の「皇嗣(こうし)」の秋篠宮さまも続かれました。
そして、午後6時半すぎ、天皇陛下が「悠紀殿」に入られて、「大嘗宮の儀」の前半にあたる「悠紀殿供饌(きょうせん)の儀」が始まりました。
一方、皇后さまは、純白の十二単に身を包み「おすべらかし」と呼ばれる髪型で、天皇陛下のあと「廻立殿」を出て、ゆっくりと廊下を進まれ、女性の皇族方も続かれました。
そして皇后さまは、「悠紀殿」の脇にある「帳殿(ちょうでん)」に入られました。
このあと、天皇陛下が「悠紀殿」の中で新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えたうえでみずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈られます。
2019-11-14 09:14:40Z
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