安倍晋三首相は20日の施政方針演説で、昨年の演説で省いた韓国との二国間関係への言及を2年ぶりに復活させた。隣国として韓国を重視していることを示した形だが、言外には文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する不満や不信がにじんだ。
首相は演説で、韓国について「元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と指摘した。あえて「元来」としたことで、文政権のためにそれらが共有できないことが強調された。
首相は、韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領の就任直後の平成25年2月の施政方針演説で、韓国について「自由や民主主義といった基本的価値と利益を共有する最も重要な隣国」と述べていた。
その後、朴氏が第3国で日本批判を行う「告げ口外交」を展開したことなどもあり、27年の演説では「基本的な価値と利益の共有」を削除。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した同年末の日韓合意を受け、28、29年の演説は「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」との表現を用いた。
だが、文氏の就任後はその表現も消え、昨年は二国間関係の文脈では韓国に一切触れなかった。
文政権が日韓合意を破り、いわゆる徴用工判決で生じた日韓請求権協定違反の状態を是正しないためだ。加えて文政権は昨年、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に一旦は動くなど、日韓の対立を安全保障分野にまで持ち込んだ。
こうした文政権の対応への批判が「元来」の二文字にはあるとみられる。
首相は演説で「国と国との約束を守り、未来志向の両国関係を築き上げることを、切に期待する」とも述べ、請求権違反状態の解決策を示すよう求めた。
(原川貴郎)
2020-01-20 08:07:00Z
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