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『ダ・ヴィンチ・コード』で世界的ベストセラー作家となったダン・ブラウンの第7作。閉所恐怖症で独身の宗教象徴学者、ロバート・ラングドン・ハーヴァード大学教授のシリーズ5作目で、みごとに同じパターン。大好きな内田康夫氏の浅見光彦シリーズにも似ていますが、テーマや場所は様々で、すべて読みました。
今回の舞台はスペイン。ラングドン教授と共演するのは麗しき美術館長にしてスペイン王子のフィアンセ、アンブラ・ビダルです。掲げたテーマは「われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか」。なんと生命の起源(オリジン)と人類の未来、それと宗教の関係に真っ向から取り組んでいます。
登場人物は架空ですが「この小説に登場する芸術作品、建築物、場所、科学、宗教団体は、すべて現実のものである」と但し書きを掲げ、背景が事実であることを強調しています。
物語は天才的未来学者、エドモンド・カーシュが人類最大の謎を解き明かす新発見を発表する直前に暗殺される事件から始まります。ラングドンを助けるもうひとりの相棒、人工知能のウィンストンも登場し、驚くべき働きをするのですがいつも通り雑学的含蓄は豊富です。
カーシュは、生命の起源と進化の根本原理はエントロピー、つまり「乱雑さ」の物理量を増大させることにあるという最近の学説を紹介します。生命繁栄の核心はエネルギーの拡散と散逸にあると。であれば地球温暖化も新型コロナも、宗教ですら、この根本原理が人類を介して産み出したものということになります。
物語の最後、全能の神「根本原理」が導く進化の先に「かぐわしき科学が暗き宗教を追い払い…輝ける宗教が栄える」という暗示的な一節がありました。さてこの混沌世界の果てには?そう遠くはない将来の話かもしれません。
大分県中津市 宮原道則 70
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August 11, 2020 at 10:56AM
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【ビブリオエッセー】生命の起源と未来を解き明かす 「オリジン」ダン・ブラウン著 越前敏弥訳(角川文庫) - 産経ニュース
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