昨年大みそかの「第71回NHK紅白歌合戦」第2部(午後9時)の平均世帯視聴率が、関東地区で40・3%(関西地区39・3%)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。前年の37・3%から3・0ポイント上昇し、2年ぶりに40%台を回復も、第1部は34・2%で、前年より0・5ポイントダウンした。また、個人視聴率は第2部29・6%(関東地区、関西地区は27・7%)第1部25・0%(同、23・2%)。第2部の視聴人数は3494・7万人に達した。
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世帯視聴率(関東地区)は2年ぶりに40%台を回復。無事に開催でき、数字もまずまずでNHKもホッとしていると思う。視聴者的にも、終盤の大物歌手の歌唱は音楽番組としては成功していたようにみえる。
とはいえ、紅白は“歌合戦”。ホールで生歌で勝負というのがコンセプトで、昭和には驚異的な視聴率で国民的番組として認知された。だから歌手側も出場のステータスを感じてきた。
過去にも中継での出場への議論は多々あった。ところが、今回は、無観客開催となり、客席への配慮も必要はない。必然的にVTRの挿入が増えた。ただ、それは通常の音楽番組と変わらないことも意味する。歌をじっくり聴くだけなら、SONGSスペシャルでもいいのではとも思う。
さらに、事前収録が許されるのなら、最高のパフォーマンスが可能。多くの視聴者側が「歌を聴きたい」と望むなら生歌にこだわる必要もない。
今年は、NHKの受信料制度が議論をなされる年になる。VTRを多用すれば紅白の莫大(ばくだい)な経費も大幅に削減できる。公共放送が多額の制作費を投入して音楽番組を制作する意味は何にあるのか? 根本からの議論が待たれる。【竹村章】
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