神戸市中央区の兵庫県立美術館で5、6日に開催されるコシノヒロコファッションショー「GET YOUR STYLE!」に、親子と孫の3世代のモデルが出演する。おしゃれが大好きという91歳の石川利子さん=福岡県=が娘と孫と、同じランウェーを歩く。石川さんは晴れ舞台を励みに、コロナ禍の外出自粛で弱った足腰を鍛えながら過ごしてきた。4日のリハーサルでは上品な衣装をまとって憧れのコシノさんのレッスンを受け、本番に備えた。(井上太郎)
ショーは県立美術館で開催中の「コシノヒロコ展」(神戸新聞社など主催)の関連イベントで、両日に一般公募の計100人が出演する。
3世代モデルは石川さんと娘の箱崎登美子さん(70)、孫の冨永彩子さん(46)。「ビビットな色遣いや奇抜なのに着やすいデザインに引かれる」とコシノヒロコブランドを愛用し、コロナ禍以前はよく、彩子さんの運転で一緒に買い物に出掛けたという。
利子さんは「母がよく帽子とお靴を買ってくれて、おしゃれをするのが好きになりました」と振り返る。女学校の在学時と太平洋戦争が重なり、戦後は青春時代を取り戻すような気持ちでファッションを楽しんだ。
「仕事人間でスーツばかり」着た娘の登美子さんをよそに、孫の彩子さんは高校生の頃から体形が近い祖母の洋服を借りるなど、洋服好きを受け継いだ。「祖母の付き添いのつもりだった」という彩子さんの誘いで応募したところ、そろって選考を通過。6日にランウェーを歩くことになった。
利子さんは出演が決まってからの約2カ月間、整形外科に通って足のリハビリを重ねてきた。「迷惑をかけないように、楽しくやります」。4日のリハーサルでコシノさんから直々にフィッティングの助言を受け、目を輝かせた。登美子さんは「自分の人生でファッションショーなんて無縁だと思っていた」、彩子さんも「いい思い出にしたい」と、笑顔で話した。
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