＜レイズ4－3エンゼルス＞◇25日（日本時間26日）◇トロピカーナフィールド
エンゼルス大谷翔平投手（26）が、メジャー初の特大先頭打者アーチを決めた。25日（日本時間26日）、敵地でのレイズ戦に「1番DH」で出場。1回に飛距離約138メートルの24号ソロを、ドーム球場の右翼天井からつるされたキャットウオーク（狭い通路）にぶち当てた。同一シーズンで投手として勝利し、先頭打者本塁打を放ったのは130年ぶりの快挙。2安打1打点と打線をけん引したが、チームは接戦を落とし、4連敗を喫した。また次回先発は、30日（日本時間7月1日）の初のヤンキース戦となった。
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記録ずくめのショータイムが、いきなり始まった。1回、「1番大谷」の第1打席。右腕キトレッジの真ん中チェンジアップを完璧に捉えた。右翼の電光掲示板を越え、ドーム球場の天井からつるされたキャットウオークに直撃する24号先制ソロ。これまでメジャーでは「1番」で8打数無安打だったが“トップバッター初安打”を豪快な1発で飾り、ベンチで笑顔を見せた。
2日前はマウンドで投げていた。2登板連続の中5日となる先発で、今季最多105球の力投。チーム休養日を挟み、登板後の最初の打席だった。同一シーズンで投手として勝ち星を挙げ、先頭打者本塁打をマークしたのは130年ぶり。試合後、マドン監督は「いったい、どれくらい飛んだんだ？」とメディアに逆質問。飛距離453フィート（約138メートル）と伝えられると、「申し訳ないが、453であるはずがない。ここに何度もいたが、試合やバッティング練習でも、あれは見たことがない」。06～14年までレ軍を率いていた指揮官もうなったスーパー弾だった。
ドでかい1発だけでなく、またまた小技でもかき回した。第2打席は一転、1ストライクからの2球目で、意表をつくセーフティーバント。一塁側へ転がす絶妙な一打で、この日2本目の安打をマークした。今季4本のバント安打は成功率100％。パワー、スピード、技術を見せつけた大谷に、レイズの地元テレビ放送局の実況は「冗談だろ？ この男は何でも出来る」と笑うしかなかった。
この日、本塁打数トップのブルージェイズ・ゲレロも1発を放ち、パドレス・タティスは3打席連続弾を決めて、両選手が25本でトップに立った。大谷は1本差をキープし、熾烈（しれつ）な本塁打王争いを繰り広げる。歴史的なアーチあり、小技あり。チームは4連敗も、大谷はエンジン全開だった。【斎藤庸裕】
◆先頭打者弾最速＆キャットウオーク弾 大谷の24号は、打球速度が時速116・1マイル（約187キロ）。MLB公式データ「STATCAST」が導入され、打球初速が計測され始めた15年以降で、これが先頭打者本塁打としては最速。これまでの最速は、ブルージェイズ・スプリンガーがアストロズに所属していた昨年10月15日に記録した115・8マイル（約186キロ）。また116・1マイルは、大谷の本塁打では2番目に速い。最速は今年5月25日のレンジャーズ戦で放った117・0マイル（約188キロ）だった。またトロピカーナフィールドのキャットウオーク弾は、同球場開場23年で39本目。今季は初弾で、レ軍マッケイが19年9月に放って以来。エ軍選手ではボビー・アブレイユ以来11年ぶり2人目。
◆大谷の日本での先頭打者本塁打 16年7月3日ソフトバンク戦（ヤフオクドーム）に「1番・投手」で先発すると、相手先発中田の初球をいきなり本塁打。投手で登板した試合で本塁打を打ったのはこの試合が自身初めてで、投手の先頭打者本塁打はプロ野球史上初めてだった。投げても8回無失点10奪三振の好投で、8勝目を挙げた。
◆エンゼルス大谷の次回登板が、中6日で30日（日本時間7月1日）の敵地ヤンキース戦に決まった。マドン監督がレイズ戦前に明かした。ヤンキース相手の登板はメジャーで初めてとなる。前回登板では今季最多の105球。球数を考慮して登板間隔を空けることについて、マドン監督は「その必要はない。彼は大丈夫だ。今、先発陣は皆よくやっているし、イニング数なども心配していてない」と話した。
▼大谷が24号となる先頭打者本塁打。大谷の先頭打者アーチは、日本ハム時代の16年7月3日ソフトバンク戦以来2本目。日本人選手の先頭打者本塁打は、17年8月22日レイズ戦の青木（ブルージェイズ）以来6人目（61本目）。
▼大谷は今月だけで9本塁打。月間9発は19年6月以来で、自己最多タイ。日本人選手の月間9本以上は、他に07年7月の松井秀（ヤンキース＝13本）だけ。
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