ブラジル・サンパウロ州で4月25日から29日にかけて、世界最大規模の農業技術見本市「アグリショー2022」が開催された(2022年5月10日記事参照)。
アグリショー事務局は見本市終了後に公式サイトで、開催期間中の農業関連機器の販売額が「過去最高となる112億4,300万レアル(約2,923億1,800万円、1レアル=約26円)を記録した」と発表した。今回は、前回の「アグリショー2019」から3年ぶりの開催となり、売上額は前回の29億レアルから大幅に増加した。訪問者数も15万9,000人(2019年)から19万3,000人(2022年)に増加した。
ジェトロが4月26日、主催者インフォルマ・マーケットのタイーザ・サントス国際営業担当に確認したところ、「アグリショー2022」は「過去2年間、新型コロナウイルス禍で対面開催ができなかったこともあり、今回は、準備段階から出展希望者が殺到する盛り上がりを見せた」との回答を得た。サントス氏によると、アグリショーは「例年、参加者の大部分が農家などで意思決定権を持つ人で、よって、最新の大型農機の売買が見本市の会場内で行われる」ことや、「農機メーカーにとっては、新機種をリリースするに値する集客力があるイベントである」ことが特徴だと説明した。
農耕用トラクターの著名なブランドであるマッセイ・ファーガソンなどを扱う米国農機メーカーのアグコや、日本人移民としてブラジルに渡った西村俊治氏が設立したブラジル大手農業機械メーカー、ジャクト(2022年5月11日記事参照)なども、「アグリショー2022」で大型の新型農機を発表した。また「アグリショー2022」は、農作物の生産性と質の向上、持続可能で生産力を一層向上させるイノベーションに焦点を当てており、大型農機の展示のみならず、精密農業・肥料・農薬・バイオディーゼル関連製品、各種エンジン・部品、太陽光エネルギー、畜産などさまざまな分野の企業が製品を展示した。
ジェトロが5月5日付でブラジル農業(セラード開発)の発展に日伯農業協力事業などで貢献した本郷豊氏(注)に、アグリショーがブラジル農業に与える影響についてヒアリングしたところ、世界最大規模の農業関連見本市がブラジルで開催されることは同分野の国際競争力強化につながり、ひいては「熱帯圏農業の生産性と持続性が向上し、世界の食糧庫としての地位を高めることになるだろう」との回答を得た。
次回の「アグリショー2023」は、2023年5月1~5日に開催が予定されている(アグリショー公式サイト)。
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