インドネシア国内最大のモーターショー「ガイキンド・インドネシア国際オートショー2022(GIIAS 2022)」が8月11日より21日までの11日間にわたって、ジャカルタ市郊外のインドネシア・コンベンションセンター(ICE)で開催される。開催を前に会場を取材した。
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)が今年1月に発表したデータによると、2021年のインドネシア国内における自動車販売台数は88万7202台で、前年比では66.8%の増加となった。しかし、この実績はコロナ禍以前に販売していた100万台の水準には達していない。
その中で新たな動きとして注目されているのが中国車の存在感だ。もともとインドネシア国内の新車販売台数は日本車が9割を超える圧倒的シェアを誇ってきた。しかし、近年はそこに韓国車や中国車が着実にシェアを高めてきている。特に目立っているのが中国で、ウーリン(五菱)は2021年で前年比3.9倍もの販売実績を上げ、シェアを2.9%にまで高めているのだ。
ウーリンは、GMが2015年にインドネシアでの生産から撤退した後、もともとが同じGMグループということもあってその工場を継承。雇用も生み出し、徐々に存在感を高めている状況にある。実際に街に出掛けると、ウーリン車が多くの日本車の中に混じってずいぶんと見かけるようになった。ここ数年で台数を増やしたこともあり、比較的新しいクルマで占められているのも街中で目立つ要因だろう。
一方、前年比で2.2倍の実績を残しながら、今後の成長に難しさを感じさせているのが電動車だ。バッテリー電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)を含む2021年における販売台数は3193台で、そのシェアは0.35%にとどまる。とはいえ、電動化の流れは世界の趨勢でもあり、今回のGIIAS2022においても電動車の出展は数多いと予想される。
その動きを活発化させそうなのが、ここでもウーリンだ。前日の準備作業をのぞくと、そこにあったのは中国国内での販売台数でテスラを抜いた“小型EV”の派生モデルと思われる車種が数多く準備されていたのだ。基本骨格は同じと見られるが、デザインも一新されて、しかもインドネシア国内に合わせて右ハンドル仕様だ。中には2022年11月にインドネシアで開催される「G20」のデザイン車もあったり、その意気込みが伝わってくる。
韓国のヒョンデもインドネシア国内で一気に攻勢を強めそうだ。というのも、発表された会場レイアウトを見ると、トップシェアのトヨタと展示面積がほぼ同じだったからだ。これまでも出展はしていたが、ここまで広い面積を確保したのは初めてだ。前日は黒いカーテンで中がのぞけないようになっており、注目車が発表されるか関心は大いに高まる。
初日の8月11日には開会セレモニーが開かれ、その後、招待者と報道関係者に会場が公開される。一般公開は12日からとなる。
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