【新華社南京6月20日】中国科学院南京地質古生物研究所は18日、中国と英国の古生物学者による研究チームがこのほど、3Dイメージング技術を用いて約6億年前の胚化石の詳細な内部構造を初めて解析したことを明らかにした。
研究報告によると、これらの古生物は既に現在の動物胚と同じような細胞分裂を行っていた。動物の起源の謎を解明する上で重要な意義を持つ。研究成果は米科学誌「サイエンスアドバンス」に掲載された。
既知の地球生命史では、現存する高等動物の祖先は大多数が5億4千万年前のカンブリア紀前期に突然爆発的に出現した。「カンブリア紀の生命大爆発」と呼ばれる。ただ、動物の起源の謎を解明するにはカンブリア紀よりも前の時代の化石の証拠を見つける必要があった。
研究チームは今回、貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州瓮安(おうあん)県で見つかった化石群を調べた。外形は現在の動物胚に酷似し、表面にらせん状に成長した模様があることから「瓮安旋孔虫」と呼ばれている。これまでは解析手段が限られていたため、内部構造を知ることがほとんどできなかった。最新の3Dイメージング技術を用いて瓮安旋孔虫の化石標本300点余りをスキャンしたところ、内部に細胞分裂の形跡が認められた。細胞の数が多いほど内部の各細胞の体積が小さかった。中には数千個の細胞を持つ化石標本もあった。
チームを率いる同研究所の殷宗軍(いん・そうぐん)研究員は「動物胚の初期の発育メカニズムに酷似している。瓮安旋孔虫は既に絶滅した古代生物か、現存する動物の大昔の近い親戚の可能性が高い」との見解を示している。
「新華網日本語版」2020年6月21日
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