ショーに出演した冨永愛
Image by: KEITA MARUYAMA
「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」が12月16日、約5年半ぶりとなるファッションショーを都内で開催した。ファッションと日本の伝統文化を掛け合わせた初のエンターテインメントショーとして六本木の「EX THEATER ROPPONGI」で行われ、タイトルは「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて・・・IT’S SHOW TIME」。昨年亡くなった山本寛斎や高田賢三のショーに多大な影響を受け「人生を変えてくれた」と話すデザイナー丸山敬太は、ファッションの熱を次世代につなげたいという思いから、今回のショーの開催に至ったという。
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ケイタ マルヤマは、2016年3月に東京でランウェイショーを開催して以来、インスタレーションやムービーといった形式で新作コレクションを発表してきた。今回は丸山自身の会社K.M Design Studioとして初めて有観客でのコレクション発表となり、「Fashionは人生を変える」をコンセプトに全く新しいエンターテインメントとしてのショーを制作。「誰かを応援したり支援したり、繋がることは今の時代のテーマだと思う。厳しいコロナの2年を経て、たくさんの人たちと皆で作れたら」(丸山)という考えで、なるべく多くの人に届けるためクラウドファンディングを実施したという。11月8日から約1ヶ月で目標の500万円を超える、800万円超の支援を集めた。
およそ1時間にわたるショーは従来のランウェイとは異なる構成で、日本の伝統文化にフォーカス。歌舞伎・舞踏や着物文化、音楽など 「心踊るコト」 をファッションと融合し、日本ならではの四季をなぞって春夏秋冬の4シーンを繰り広げた。
回転式の舞台の幕が開き、春の桜を表現した最初のシーンに登場したのは冨永愛。オートクチュールのマキシドレスに着物の羽織風のガウンをまとったケイタ マルヤマならではの和洋折衷スタイルで、90年代を彷彿とさせる高いランウェイを優雅に闊歩した。続いて歌舞伎俳優の尾上右近が「娘道成寺」を披露。夏のシーンでは⻤太鼓座による和太鼓で祭りを表現し、ダンスユニットULTIMATE BBOYZは着物をアップサイクルした衣装でアクロバティックなパフォーマンスを見せた。秋のシーンは「愛」をテーマに、乃木坂46の齋藤飛鳥などのモデルたちがケイタ マルヤマのアーカイヴのドレスを着用して登場。舞台を雪景色に変えた冬のシーンでは、女優の渡辺真起子やりょう、田辺あゆみや市川実和子といったケイタ マルヤマのショーには欠かせなかったベテランモデルたちが勢揃いした。
全出演者によるグランドフィナーレでは、ハート型のラッフルドレスをまとった野宮真貴が「東京は夜の七時」と 「スウィート・ソウル・レヴュー」の生歌を披露。華やかなムードと大きな拍手の中でショーが幕を下ろした。
終演後の舞台裏で丸山は、今回のショーの動機として1980年代から華やかなショーを通じて夢を与えてきた山本寛斎と高田賢三の存在が大きかったとし、「お二人がいなくなってしまったから、『やらなきゃ』と。先輩方から浴びせてもらったクリエイションを、次の世代に繋いでいくのが役目だと思う」と涙ながらに話した。「ファッションは人生を変えるものだし、その時代や気分を表すもの。エンターテインメント、伝統、作り手、色々な人たちがシェアし手を繋ぎながら、自分たちのやれることをハッピーに表現する。その熱を伝えられたら嬉しい」と、愛にあふれたショーを振り返った。
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