◆昔憧れたあの一台が新金型で登場
14日まで開催中の「第61回 静岡ホビーショー」。コロナ明け後の初開催ということで、海外からの来場者も多く賑わっている。様々な模型が会場を賑わせているが、今も自動車のプラモデルは基本的に人気があるそうである。
数多くの自動車プラモデルを市場に送り出しているハセガワ模型の長谷川社長に、その理由を伺ってみた。正直、若者のクルマ離れが囁かれる中で、自動車のプラモデルの需要はどうなのだろうか。

長谷川社長によれば、自動車プラモデルの需要は堅調で、コロナ禍だった2年間は巣籠り需要で売り上げが伸びたという。そして中心はやはり40歳代~60歳代の層で、昔憧れたクルマをプラモデルで作ることで懐かしむという。
そんなハセガワ模型が今年の静岡ホビーショーに投入したのは、いすゞ『ベレット1600GTR』。以前にもベレットのプラモデルは存在したが、今回は完全な新金型での登場である。
◆完売のスーパーカーもプラモデルなら

一方のタミヤ模型は全く逆で最先端のクルマをモデル化した。その名も『GMA T.50』。かつてマクラーレンやブラバムなどのF1エンジニアとして活躍した鬼才ゴードン・マーレーが、自らの名を冠して作り上げたロードカーである。本物は100台生産される予定だそうだが、既に瞬殺で完売している。つまりプラモデルで楽しむ以外に道はないということだ。
特徴的なリアのグラスエリアなどは、はめ込み式で接着剤を使用せずに作ることができるから、失敗の可能性を減じ、仕上がりが美しくなる。実際に手に持たせていただいたが、そのグラマラスなフォルムの再現度は抜群。エッチングパーツもふんだんに使われているから、作り込みたい人にとってはうってつけのモデルである。
◆アオシマが見せた“2台”のデロリアン

そして注目のもう1台は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場したデロリアンである。アオシマ文化教材社が2024年に発売を予定しているもので、今はまだ原型作りの段階だが、その原型が展示されていた。
そして恐らくネタ元であろう1分の1=実車のデロリアンも展示されていたのだが、驚くことに映画のモデルを忠実に再現している。製作したのは日本の個人オーナーで、何と製作期間2年6か月を経て、この状態で公道を走れるクルマとして完成されているという。

プラモデルの方はメーカーの説明では部品点数200以上で、特徴的なガルウィングドアは開閉できる。残念ながら価格は未定だが今から楽しみな1台と言えよう。
コロナ禍はモノ作りのきっかけを作ってくれたかもしれず、必ずしも負の遺産だけが残ったというわけではなさそうだ。
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