アウディ(Audi)は4月18日、上海モーターショー2023において、F1参戦プロジェクトの最新の進捗状況を発表した。会場には、アウディのローンチカラーをまとったF1ショーカーを展示している。
◆最初のフルハイブリッドユニットは2023年内にベンチテストへ
アウディは2026年から、モータースポーツ最高峰のF1にファクトリーチームとして参戦する準備を進めている。参戦にあたって、「F1 Power made in Germany」をスローガンに掲げ、ドイツで開発したパワーユニットを搭載したマシンの開発に取り組んでいる。
2022年末から、単気筒エンジンによるテストが開始され、F1用エンジン開発におけるテストベンチのセットアップと測定機器の検証のための洞察を得た。内燃エンジン、電気モーター、バッテリー、電子制御ユニットで構成される最初のフルハイブリッドドライブトレインユニットは、2023年内にベンチテストが実施される予定だ。
これによって将来の車両コンセプトの基礎が形成される。さらに、ノイブルクのダイナミック開発シミュレーターはF1を基準にレベルアップされ、アウディ製パワーユニットの開発がさらに推進されるという。
◆開発チームの中核はEVでのモータースポーツ参戦時のノウハウを所持
その一方で、アウディがF1に参戦するために設立した「アウディ・フォーミュラ・レーシング」傘下のノイブルク・アン・デア・ドナウの拠点では、チームの強化が本格的に進められている。このチームには、すでに260人以上のスペシャリストが参加している。開発チームの中核は、EVによるモータースポーツ参戦で長年にわたる多様な専門知識を持つ経験豊富なアウディスポーツやアウディの従業員によって構成されている。さらに、社外からもF1の専門知識を持つスペシャリストが参加し、ターゲットを絞った方法でチームを強化している。年内にすべてのスタッフの採用を終える必要があり、最終的にチームは300人以上の従業員で構成される予定だ。
同時に、ノイブルクの「コンピテンス・センター・モータースポーツ」は、F1プロジェクトのために拡張される。2023年の後半から、パワーユニット開発用の試験装置を増設し、延床面積およそ3000平方mの新社屋を建設する。この新社屋では、モジュラー設計により、2024年初めに建物が完全に完成する前であっても、最先端の試験装置を稼働させることが可能という。
ノイブルクにおける電気と熱の供給は、すでにCO2ニュートラルを達成した。この施設には、産業廃熱からの地域暖房と、水力発電所からのグリーン電力が供給されている。国際自動車連盟(FIA)は、この施設に3つ星の環境認証を授与した。これは、環境保全と持続可能性に対する最高の評価という。アウディの目標は、ノイブルクのF1プロジェクトにCO2ニュートラルなエネルギーを提供し、施設における再生可能エネルギーの供給システムを確立することだ。
◆電動ドライブトレインの「MGU-K」は内燃エンジンとほぼ同じパワーに
最高峰のモータースポーツでは、持続可能性も重要な役割を果たす。2026年から適用されるレギュレーションでは、電動化により大きな焦点が当てられており、電動ドライブトレインの「MGU-K」は、内燃エンジンとほぼ同じパワーを発生できるようになる。
高効率の1.6リットルターボチャージャーエンジンは、持続可能な合成燃料で作動する。F1は、その熾烈な戦いにより、eモビリティと持続可能な「e-fuel」の両方のテクノロジー推進要素として機能するという。さらに、F1は、2030年までにレーシングシリーズとして、カーボンニュートラルになるという目標を掲げている。
2022年8月末に正式に発表されたアウディのF1への参戦では、いわゆる「コストキャップ」と呼ばれる予算制限が適用され、持続可能性とコスト効率を重視することが重要な要素となっている。アウディは、2026年からFにファクトリーチームとして参戦するための戦略的パートナーとして、経験豊富なスイスのレーシングチームであるザウバーを選択している。
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